labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「哲学史の哲学」研究に向けてのメモ(6)――「哲学史の研究こそ哲学の研究である」とするヘーゲルの見解について――

ヘーゲルは「哲学史の研究こそ哲学の研究である」と述べたことで有名ですが、はたしてそのような主張はいかにして導かれたのでしょうか。今回は、このことを確認したいと思います。そこで、 ヘーゲル『哲学史序論――哲学と哲学史――』武市健人 訳、岩波文庫、1…

「哲学史の哲学」研究に向けてのメモ(5)――「哲学史は哲学か?」という問いそのものを問う――

哲学史研究者がつねに念頭におかなければならないのは、ウィトゲンシュタインの「哲学は学説ではなく活動である」(『論理哲学論考』4.112)に象徴されるタイプの批判である。ウィトゲンシュタインがどういう意味を込めてこの言明をなしたのかは詳しくはわか…

ボルツァーノの「論理学」の定義

ボルツァーノの「論理学」の定義が気になったので調べて見ました。ただのお勉強メモです。原書。 Bernhard Bolzano, Wissenschaftslehre, In 4 Bänden, (Leibzig 1929), hrsg. von Wolfgang Schultz, Band 1, Scientia Verlag Aalen 1970. これには現在、頼…

非存在対象の指示の問題――分析哲学と現象学の起源としての――

今日は雨模様だし、研究室で作業していても、最近は外でやっているテニスの音がうるさくてストレスが溜まるので、おうちで作業することにした。なぜ何も無いのではなく、校舎の目の前にテニスコートがあるのか。午前はデカルトに苦闘。午後は読みたい本でも…

The Leibniz Review、電子化されてた。

いつのまにか、北米ライプニッツ協会が出している雑誌、The Leibniz Reviewが電子化されていました。次のリンクから最新三巻を除く過去の記事がダウンロードできます。https://www.pdcnet.org/leibniz/freeよっ、ナイス電子化。それにしても、執筆陣は豪華だ…

「哲学史の哲学」研究に向けてのメモ(4) ――カッシーラーの哲学史の方法――

西洋思想史の授業準備のためにカッシーラー『認識問題』を第一巻から読みはじめる。その序文に、カッシーラーが哲学史の方法について少し書いているのでメモ。 「哲学史は、それが真に学問であるかぎりは、多彩に継起する事実を知るのを学ぶための収集品陳列…

卒論オリ。

新年度がついに本格的に始まった。一発目の仕事として、今日は卒業研究オリエンテーション。配布する資料を準備したり、論文の書き方本や、哲学の論文の書き方などを調べたりしてたら、あっというまに時間が過ぎていった。今年度も研究する時間をどう捻出す…

17世紀哲学・数理哲学史 関係のホームページ

午前は報告書を書いたり、書類を出したり送ったり。午後は授業準備を少し進める。哲学演習は野矢茂樹『論理学』をはじめて使用してみようかと思う。前原昭二『記号論理入門』を使いたかったが、数学アレルギーのある人文系の学生に考慮しなければならない気…

ユークリッド『原論』の成立:数学の哲学からの自立についての考察。

今日はやたらと風が強く、一日雨模様なので、おうちで静かに作業。目の調子が悪く、疲労もあってほとんどはかどらなかった。息抜きに、読みたかった本を読んでいく。 ユークリッド『原論』とは何か―二千年読みつがれた数学の古典 (岩波科学ライブラリー)作者…

「哲学史の哲学」研究に向けてのメモ(3)――ゲルーの哲学史の方法――

桜も散りつつあり、新しい季節の新鮮な気分からやや落ち着きを取り戻しつつある。そろそろ自己の体験に基づく主観的・独断的な哲学史の哲学に関する考察から離れて、より客観的な哲学史の哲学を徐々に展開していくべき頃合いであろう。といっても、哲学史の…

「哲学史の哲学」研究に向けてのメモ(2)――古楽とのアナロジーを通じて――

最近、また毎朝6時に起きて、NHK-FMの「古楽の楽しみ」を聴くのが、一日のはじまりの日課となった。昔、都内の予備校に通うべく朝早く起きるために、たまたま目覚まし代わりにラジオ番組「朝のバロック」を聴きはじめた。これが、バロック音楽に関心を持ち…

「哲学史の哲学」研究に向けてのメモ(1)――まず自らの哲学史研究を反省する――

哲学史の哲学、哲学史の方法論について、自分なりに考えてみたい。まだ十分に考えを練っているわけではなく、まだ模索段階であるし、断続的にならざるをえないであろうが、ご容赦願いたい。私もまだ哲学史研究者の駆け出しのペーペーにすぎない。しかし哲学…

次の研究課題。

今日から新年度。いろいろなことが終わり、いろいろなことが始まって行く日だ。形式的には。しかし、形式が実質を伴うときもある。友人や知人の朗報を、いくつか間接的に聞く。たいへん悦ばしい。反面、依然として人文科学・哲学への将来的に明るい展望は、…