labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

2019-01-01から1年間の記事一覧

アリストテレスと不可分者

授業でアリストテレスの連続論を扱ったが(講義資料リンク)、時間の制約上『生成消滅論』には触れられなかった。また、アリストテレスが「不可分者」について語っているところをこれまできちんと押さえていなかったのを反省し、理解を補うべくメモしたい。 …

ライプニッツ「点から線の構成と実体から物質の構成の差異」

ライプニッツの遺稿から、点と線に関する幾何学的構造と、不可分な要素である実体とそれから合成される物質の構造の違いについてライプニッツがメモした部分を翻訳してみました。 「点から線の構成と実体から物質の構成の差異」 原題:DIFFERENTIA INTER CON…

ライプニッツ「フーシェ氏の反論に関する覚書」(部分訳)

ライプニッツのテキストから以下を抄訳してみました。 題目:「フーシェ氏の反論に関する覚書」 原題:REMARQUES SUR LES OBJECTIONS DE M. FOUCHER 日付:1695年9月12日より後に起草 典拠:A VI, 5, VE: 2290 ライプニッツの心身の結合に関する予定調和の「…

連続体の合成の問題をめぐるライプニッツ手稿

Massimo Mugnai, Two Leibniz Texts with Translations: LH IV 1, 9 r and LH IV 1, Bl. 24 r in The Leibniz Review, Vol. 10, 2000, 135-137. より、断片の粗訳をしてみました。 LH IV 1, 9 r Monades non sunt in loco nisi per harmoniam, id est per co…

幾何学的対象はタイプなのか

飯田隆「タイプとイデア──幾何学的対象の存在論──」 URL =< http://greek-philosophy.org/ja/files/2018/03/Iida_2018.pdf> を数日前に読んで、刺激を受けたのでその感想など。 本稿の基本的な考えは、幾何学的対象はタイプとして存在する、描かれた図形はそ…

LaTeXで古代ギリシア語のアクセントとか

「分析形而上学」入門

『現代思想43のキーワード』から、鈴木生郎さんの「分析形而上学」の項を読んだ。分析形而上学の方法論に論点をしぼった良記事でした。 現代思想 2019年5月臨時増刊号 総特集◎現代思想43のキーワード (現代思想5月臨時増刊号) 作者: 千葉雅也,松本卓也,渡辺…

クーチュラと『ライプニッツの論理』

GWに入って、ようやく溜まっていた仕事に集中する時間が少しとれそうです。手始めに、とある事典で担当した項目のうち、クーチュラと『ライプニッツの論理』についてドラフトを書きました。 制限字数内にまとめるのが大変で、資料の消化と執筆にずいぶんと時…

ダヴィド・ラブアン氏 特別講演・特別講義のお知らせ

フランスからダヴィド・ラブアン氏(David Rabouin, CNRS / Paris-Diderot)をお招きして、いくつかの講演と講義をしていただく予定です。ラブアン氏は、数学の哲学、とりわけ普遍数学思想が御専門です(ラブアン氏に関しては、詳しくはこちら )。おおよそ…

クーチュラ『論理の代数学』

ルイ・クーチュラ『論理の代数学』(1905; 第2版:1914)から、 冒頭と結論部のみをざっくりと抄訳してみました。リプリント版がOlmsや、次の出版社から出ています。 Louis Couturat, L'Algebre de la Logique, 2e édition, Réimpression : Albert Blanchar…