labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ライプニッツ『モナドロジー』§9

1. 原文 各々のモナドは、それぞれ他のモナドと異なっているのでなければならない。というのも、自然のうち、および、内的差異あるいは内在的規定に基づいている差異を見いだすことが出来ないところでは、一方が他方と完全に似通っている2つの存在者は決し…

ライプニッツ『モナドロジー』§8

1. 原文 しかし、モナドはいくつかの性質を持たねばならない。でなければ、それは存在者ですらなくなってしまう[*また、もし単純実体が無であったならば、複合実体もまた無に還元されるであろう]。もし単純実体が、それが持つ性質によって区別されないなら…

ライプニッツ『モナドロジー』§7

BoutrouxおよびLattaの注解は、100年以上も前のものですが、どちらもとても充実しているようなので、それらも含めるかどうか、悩んでいました。少しパラパラ読んでみると、どうやら、河野与一の注解は、ほとんどBoutrouxとLattaを踏まえたもののようです。実…

ライプニッツ『モナドロジー』§6

1. 原文 したがって、モナドは一挙にしか始まることも終わることもできない、と言うことができる。すなわち、モナドは創造によってしか始まることができず、絶滅によってしか終わることができない。それに対して、複合されたものは、部分ごとに始まったり終…

ライプニッツ『モナドロジー』§5

1. 原文 同じ理由によって、それによってある単純実体が自然的に始まりうるような、いかなる仕方もない。というのも、単純実体は複合によって形成されえないからである。 Par la même raison il n'y en a aucune, par laquelle une substance simple puisse …

ライプニッツ『モナドロジー』§4

1. 原文 モナドにはおそれるべき解体もない。また、それによってある単純実体が自然的に消滅する*ような、(われわれが)考えられる仕方もない[われわれには考えられない]。 Il n'y a aussi point de dissolution à craindre, et il n'y a aucune manière …

ライプニッツ『モナドロジー』§3

1. 原文 ところで、部分がないところでは、延長もなく、図形もなく、可能な分割もない。 そして、これらのモナドは、自然の真のアトムであり、一言で言えば、事物の要素である。 Or là, ou il n'y a point de parties, il n'y a ni étenduë, ni figure, ni d…

ライプニッツ『モナドロジー』§2

1. 原文 また、複合体が存在するのであるから、単純実体がなければならない。 なぜなら、複合体は、単純体の集積あるいは寄せ集めにほかならないのであるから。 Et il faut qu'il y ait des substances simples, puisqu'il y a des composés ; car le compos…

ライプニッツ『モナドロジー』§1

平成24年度前期の講義で、ライプニッツの『モナドロジー』(1714)を扱いました。来年2014年は、『モナドロジー』が起草されてから、300年の記念すべき年に当たります。噂によると、各国で様々なプロジェクトが、裏で動いているようです。私も、国内の一つの…