labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

2020-01-01から1年間の記事一覧

アヴィセンナの内的感覚論と抽象化の理論についてのメモ

西欧近世哲学における抽象の理論の系譜を遡っていく過程で、どうしてもアラビア哲学におけるアリストテレスの受容と変容の問題は避けられない。むろん、抽象の理論の起源をたどれば、最終的には古代ギリシア哲学、アリストテレスの「アパイレーシス」に行き…

抽象と概念形成の問題(授業動画)

恥をしのびつつ、授業動画の一つを限定公開してみました。 前学期の「西洋思想史」の第2回目の講義です。西洋における古代から近世までの抽象と概念形成の問題をめぐる哲学思想を概観しています。 youtu.be 明日行われる哲学オンラインセミナーでの、「抽象…

ワークショップ「抽象と概念形成の哲学史 ―古代から現代へ―」第1回のご案内

哲学オンラインセミナーのご協力により、以下のワークショップを行うことになりました。 月1回ペースで行う予定です。 お時間とご関心のあるみなさまは、どうぞふるってご参加ください。 日時:2020年6月21日(日) 15:00 -17:00 企画:ワークショップ「抽象…

A. ヴァルツィ「境界」(Stanford Encyclopedia of Philosophy)[翻訳]

SEPにある、ヴァルツィの「境界」を翻訳してみました(抜粋や参考文献、リンク等の部分は除く)。 授業資料用に翻訳したものです。また、境界の問題は、連続体の哲学をめぐる、自分の研究関心の比較的中心にあるので、自分用に翻訳を思い立ったところもあり…

アカデミーと学術雑誌の形成と文芸共和国の誕生──『世界哲学史5』「ポスト・デカルトの科学論と方法論」への補論[2]

この原稿は、「ポスト・デカルトの科学論と方法論」『世界哲学史5』(ちくま新書、2020年)の準備として書いたものです。巻末の年表に少し反映しました。これも、あくまで整理のために書いたものなので、ざっくりとしてますが、ご容赦ください。 世界哲学史…

デカルトの方法──『世界哲学史5』「ポスト・デカルトの科学論と方法論」への補論[1]

この原稿は、「ポスト・デカルトの科学論と方法論」『世界哲学史5』(ちくま新書、2020年)の準備として書いたものです。あくまで整理のために書いたものなので、ざっくりとしてますが、ご容赦ください。 世界哲学史5 (ちくま新書) 発売日: 2020/05/08 メデ…

『世界哲学史5』発売記念。【付・第7章「ポスト・デカルトの科学論と方法論」誤植と訂正】

ちくま新書から好評発売中の『世界哲学史』のシリーズ、ついに『世界哲学史5』が本日(5月7日)付で発売になりました!(Amazonでは明日8日発売の模様) 世界哲学史5 (ちくま新書) 発売日: 2020/05/08 メディア: 新書 わたしも第7章「ポスト・デカルトの…

パースの連続体論(2. 『センチュリー辞典』より)

「連続性(Continuity)」の項目 (『センチュリー辞典』、1884年頃起草、1889年出版) 出典:Charles S. Peirce, Philosophy of Mathematics: Selected Writings, M. E. Moore (ed.), Indiana University Press, 2010, pp. 135-139. 【解説】 編者のM. E. M…

パースの連続体論(1. SEPより)

12月半ばに体調を崩し、ほぼ回復した年末年始には、子守と家族イベント、そしてその疲労と息抜きでほとんど何もできず、いつのまにか新年を迎えてしまいました。明けましておめでとうございます。ブログはおろか、仕事がいろいろ滞っており、焦ってばかりい…