labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

模擬授業資料。

ご無沙汰してます。ちょいと前に、高校で哲学の出前授業をしてきました。とある委員になってから、現在は、こういう営業的なお仕事が増えてきまして。

哲学は日本の高校では学べない分野なので、授業では、前提知識はいらない、なるべく身近なテーマを選びました。しかし授業では、内容の難しさにみな頭を悩ませていたようです。中にはつっぷして撃沈している高校生もいました。ただ、アンケートを見る限りでは、想像していたよりも面白かったと、関心をもってくれた生徒も多かったようです。少し安心。

普段は大学生相手なので、高校生ということで、かなり神経を使いました。準備と移動とで、それなりに時間もとられます。学務内ということで、別にやったからと言って、特別手当が出るわけでもありません。大学教員には負担の多い出前授業のあり方には賛否があり、私も複雑な心境です。

ただ、高校生にとっては哲学がどのような分野かを体験できる貴重な機会になるはずですので、いずれは自分オリジナルの鉄板ネタみたいなものを作っていけたらと思います。いくつか一般向けのネタを持っていることは大事でしょう。

講義したテーマは「人の同一性」についてです。専門的に研究しているわけではありませんが、学部生のときに、最初に関心をもった哲学的テーマが、広い意味での「同一性の問題」だったと記憶しています。久しぶりに考えてみて、面白いところもある反面、何か新しい議論や洞察を出すのがとても難しいテーマだと再認しました。

資料をResearchmapの方に公開しましたので、コメントや批判などがありましたら、よろしくお願いします。

2015年・模擬授業(高校出前授業)
「私は本当に同じ私なのか?―哲学のすすめ―」

ついでに、2012年のオープンキャンパスで行った模擬授業の資料も公開しておきます。こちらのテーマは「穴の存在論」に関するもので、前提知識なしに、形而上学的な問題へ入門するのに最適なので扱ってみました。ちょっと今では古いネタも入っているかもしれませんが、そこはご容赦ください・・・。

2012年・模擬授業(オープンキャンパス
ドーナッツの穴は存在するか?