labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

「朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』」を読むの途中でやめるってよ

いつもどおり、昼食直後のけだるい時間を利用して生協書店をブラブラ。小説読む時間ないなー、とか思いつつ、ひやかしにいくつか本を手にとってパラパラしていたら、ある本を棚から落として、傷めてしまった。というわけで、『桐島、部活やめるってよ』、お買い上げ。

思春期に感じていた部活における人間関係の結構残酷なところを、うまく描いているなあ、とは思った。句読点の後で、改行しているのが気になった。時事的に限られた話題があるが、説明のフォローもないし、なんだかいろいろと賞味期限が過ぎている。高校時代の淡い記憶を思い出す以外は、とりたてて読む価値のない本だと思う。

高校時代の僕のどうでもよい記憶。実は高校のとき、僕はバレーボール部だった。入部当初、身長が150cmくらいしかなかった。同じクラスで仲良くなった友人に、入らないかと勧められて入部体験しているうちに、ズルズルと入ってしまった。入るなら卓球部か、天文部と思っていたのに。卓球は好きだったが、中学時代にすでに限界を感じていた。天文部は当時だれも部員がいなかった。もう少し活動的だったら、一人で部員を集めて天体観測をしていたことだろう。高校には、なんだか立派な天文台があったし。当時のあまりの自主性のなさに、今では後悔しているが、体を動かすのは好きだったし、背を伸ばしたかった。要するに友人がほしかった。しかし、自主性が強くなったのは、今思うと、部活をやめたのがきっかけかもしれない。

部活は一年でやめた。本当はもっと早くやめたかった。退部したほかの部員たちは、あっさりやめさせたというのに、どういうわけか、自分がやめたいと言ったときだけ、部活のコーチが「けじめをつけろ、最後に意地をみせろ」と言うので、きっちり一年続けてやめてやった。年度末の最後の部活で、部活をやめる宣言を部員の前でした。言われた通り、意地をみせて、最後のけじめをつけたわけだ。その意味では自分も、体育会系のマインドを微小ながら持つ。部活をやめると言ったとき、「本当にやめたいのか、バレーはもう好きじゃないのか」とキャプテンに言われた。自分は何かにつけ、やりたくないことには「イヤです」と言うのが口癖で、良くキャプテンにマネされた。キャプテンはヤンキーみたいなパーマ頭をしていたが、頼れる明るい感じで、尊敬していた。かわいい彼女がいたし。キャプテンはストIIではガイル使いで、何度か対戦ではめられた。引き留めてくれたのはキャプテンだけだったが、なんだかすごいうれしかった。

部活をやめたとき、身長は165cmくらいになっていた。卒業時には170cm。セッターのサブぐらいはやれたかもしれない。やれるポジションがあるとしたら、セッターぐらいしかなかったはずなのに(リベロなんて当時はなかった)、セッターとしての訓練は一切されなかった。初心者でトスはそれほどうまくなかったので、セッターには向いていないと見なされたのだろう。バスケ部をやめた同学年の内部生が後から入部してきて、セッターのサブ候補にすぐ決まった。部活をやめる決定打は、コーチが出してくれると言った試合で、出してくれなかったことだろう。レシーブは、たぶん僕が一番うまかった。練習では。

この時点で、十分感情移入してこの本を読めるハズなんだけど、途中で飽きてしまった。部活をやめたように、この本を読むのも途中でやめてしまった。何の読書感想にもならず、申し訳ない。