labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

「原子論」関連文献

ライプニッツと原子論」という課題で依頼原稿を、少し前に受けた。『モナドジー』成立300年の祭典に向けて、来期は個体論をはじめとした思想史の授業も行う予定。研究も授業も、ライプニッツの「連続体の迷宮」とからめて、連続体の問題と個体の形而上学について、もう少し視野を広め、かつ、問題の理解を深めていく機会としたいと考えている。

「原子論」でうちの図書館で検索したが、あまりヒットしない。仮説社から出ている『原子論の歴史』もあったが、どうもこれは研究書ではない。

とりあえず使えそうだったのは、邦語文献では次の2書だけ。

あと、世界の名著シリーズの現代の科学に、ドルトンらが訳されていたと記憶する。湯川秀樹らによる解説も良かったと思う。

あと、Atomismと入れて洋書でヒットして使えそうだったのは次のみ。

  • Marie Cariou, L'atomisme : trois essais : Gassendi, Leibniz, Bergson et Lucrèce, Aubier Montaigne, 1978.

うーむ、大学図書館の蔵書があまりに期待できなかったのは残念。これから、多少は揃えていくつもり。

SEPに、参考になりそうなサーベイがあった。SEPは参考にして、授業ではもっと内容に踏み込んでいきたい。

ライプニッツに関しては、研究がいろいろあるので、使えそうなものを読んで選別していきたい。


後記

2014/03/06

多忙にて進捗は難航中。原子論全般についてまず古代〜現代まで邦語参考文献をいくつか読んでいるところ。同時に、二次文献で現段階の研究状況をつかもうというところ。
やはり、原子論に代わる理論としてのモナドジー、連続体の迷宮の問題に焦点を当てたいが、どういう原典をメインに扱うかは考えどころ。

以下の二冊を貸借。

  • Gideon Manning (ed.) Matther and Form in Early modern Science and Philosophy, Leiden: Brill, 2012
  • Catherline Wilson, Epicureanism at the Origins of Modernity, Oxford: Oxford University Press, 2008


2014/03/11

さらに次の四冊を貸借。

  • Pierre Gassendi's Philosophy And Science: Atomism for Empiricists / Saul Fisher, Brill, 2005
  • The scientist's atom and the philosopher's stone : how science succeeded and philosophy failed to gain knowledge of atoms / Alan Chalmers, Springer, 2009
  • Elements, principles, and corpuscles : a study of atomism and chemistry in the seventeenth century / Antonio Clericuzio, Kluwer Academic Publishers, 2000
  • Atomism in late medieval philosophy and theology / edited by Christophe Grellard and Aurélien Robert, Brill, 2009


原子論史に関わる古典を追加。 2014/03/17

  • ルクレーティウス『物の本質について』樋口勝彦 訳、岩波文庫