labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

【アダムの言語】

ADAMIC LANGUAGE

・「アダムの」言語とは、神によってアダムに与えられたとされる言語のこと。それは、神がアダムに言語を教え、事物の名前を与えたが、その際、アダムにそれら事物の本質を直観することができるようにしたという逸話に由来する。

・アダムの言語およびそれに伴われる自然の知識は失われてしまったが、何人かは、何らかの仕方で、それを取り戻すことができると考えた。

ライプニッツはときおりアダムの言語の概念を引き合いに出したが、ヘブライ語アラビア語がアダムの言語に近いということには懐疑的であった。そして、ヤコブベーメに同意して、チュートン[ゲルマン]語の方がより自然な言語であり、その意味ではよりアダムの言語に近いと考えた。

・アダムの言語に言及する際にライプニッツが意図しているのは、通常、学的により適切な言語を構築するという自らの[普遍言語の]計画を紹介することである。

例えば、1686年の著作で、ライプニッツは次のように主張していた:

もしわれわれが、そこでは諸観念がある種の人間思考のアルファベットに還元される、何らかの厳密な言語(たとえばある人々がアダムの言語と呼んだもの)あるいは少なくとも真に哲学的な書き方を所有していたならば、与えられたものから理性的に導かれるすべての事柄は、ちょうど算術ないし幾何学の問題が解かれるように、ある種の計算によって見出されうるだろう。(A VI, 6[←4の誤植?], 204; SM 12)