labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

一日のんびり。
ポール・サミュエルソン死去。法学部時代に、スティグリッツ伊藤元重の入門経済学と共に、『経済学』をがんばって読んだ記憶がある。内容は完全に忘れたけど。せっかくエネルギーのある時に恐ろしく無駄なことをしていたけど、まあそれもいいのかな、という感慨。その頃、ずいぶんと仲のよい友人もいたが、あの頃の誰とも、いまや連絡をとりあっていない。フランス語のインテンシヴ・コースの同窓で、自分より優秀な人たちばかり。みんなフランスに留学したいだの語っていたと思うが、結局、実現したのは自分だけ。あれから大分経つはずだが、あまり時間が経ったという感じがしないので、とくにさみしくもない。あるいはもはや、お互い興味がないのかもしれない。むしろそのことがどうかと思う。
ポアンカレがらみでネットで調べものしていたら、連鎖でたまたま次のような記事に出会った。面白かったのでリンクさせていただきます。
「類体論」を確立した現代数学の巨人 高木貞治
当時は「飛び級」があったのですね。自ら思考することの重要性が伝わってくる記事です。何かと模倣ばかりが目立つ昨近にあって、自分ももっぱら原典や論文に頼ってばかりいるが、果たしてこれで思考していると言えるのだろうか、独自性をどのようにしたら出していけるものだろうかと悩んでいました。自分で辿りついた問題であっても、やはり哲学の歴史は長く、先行研究が必ずある。その問題に行き当たったのも、たまたまではなく、その後同テーマでの研究を多くみかけ、時勢あってのことにすぎないと気づく。思い描いている問題関心も、どこまでオリジナルかと問われれば疑問符がいっぱいつく。模倣するにも、せめて誠実な模倣者でありたい。夕食後と朝に分けて眠る点だけは、高木先生と一緒ですが。次元は違いますが、あやかりたいものです。