labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

今年最後の授業

午前はベルクソンの『創造的進化』。ここまで読んできて、ベルクソンの論調は、おおよそ掴めてきた感じ。科学が捉えきれない生命の連続性を主張するあたりは、ワンパターンではある。数学に関しては、本当に初歩の微分積分程度しか知らないようだが、わりと当時の生物学を調べている。ベルクソンが読んだ書誌をひもとくほど、時間はない。生命についての科学は、生物学や複雑系、人工生命などの研究の進歩で、ベルクソンの時代とは大分様子が変わってきているので、ベルクソンの主題をあまり深刻な問題として受け止められない自分がいる。しかし、ベルクソンの文章には、端々で知性を感じるので、読む分には楽しいし、得るものが今でもあるように思う。レポートの予告を出して終える。

午後は空間の哲学、境界論。形而上学の論文を題材にしたわりと専門的な内容だけど、論理的な思考がある程度できれば初学者でも十分ついていけるし、数学などと比べ積み重ねがそれほどいらない分、なんてことはない・・・はず。厳密な議論をなるべく丁寧に解きほぐして、わかりやすく伝える訓練になる。理論的にもっと踏み込むには、位相や測度論、多様体など、数学をもっと勉強したいし、素粒子物理学などについての知識ももっと得たいところ。個人的には、空間の論理を研究したいが、まだまだロジックの修行が足らず、なかなか実現できずにいる。あと、知覚の哲学や神経科学などにおいて、抽象的対象の知覚の問題ともからめて、さらに考察できるようになりたいところだが、難しいだろう。とはいえ、アンテナだけは張っておきたい。

夜は新入教員歓迎会を兼ねた若手教員による忘年会。とても楽しかった。どなたも、飲みにいく相手がおらず寂しいようで、また機会があれば、定期的に飲みに行くのがよいかも。それにしても、クリスマス・イブにみんな予定が開いているって、どういうことなの・・・。それはともかく、お疲れさまでした〜。