labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

基礎ゼミで「人狼ゲーム」をやってみた。

「思考」をテーマとする基礎ゼミ授業の一貫で、「人狼ゲーム」というTRPGを、2コマほど割いて扱った。ニコニコ生放送で、将棋棋士たちによる人狼ゲームを見て、面白い、これは使える、と思ったのである。

これは、本来はカードを用いて行うテーブルトークゲームだが、今回は、

WEREWOLF "Nightmare in Prison"

というアプリを使って、iPadを用いて行った。アクション中に目を閉じたりする必要はなく、挙動では気づきにくいので、アプリでやる方がいい点もあるかもしれない。(ただし、操作を誤ると、元に戻せないという難点がある。あと、ときどきアプリの方にバグが出るようだ。)

いざやってみると、当初目的としていた推論ゲームになるまでが大変だった。最初は、「なんとなくあやしそう」、「他の人が入れたから」、など、論理的に考えて推論するというゲームにならなかった。これでは、小学校低学年によく見られる非論理的思考である。また、どうしてあやしいと思うのか、根拠をまったく述べられないでいた。会話や質問もあまり効果的なものではなかった。経験者もいたが、ほとんどが初心者のなかで、浮いてしまっていた。初回は、2度プレーしたが、2度とも人狼側が勝利した。

しかし、ゲームなので、かなり楽しかったようである。もう少し予習してくるように言って、次の週もやることにした。ただし、次回は、きちんと論理的に思考し、そのように思う根拠を述べるよう、言い渡した。

2回目は、経験者が占い師になるなど配役もはまり、初心者もゲームに慣れてきたようで、かなり改善されていたように思う。今回は、経験者の的確な説明もあって、市民側が勝利した。人狼側は、占い師の占いを疑うことで墓穴を掘ってしまった。しかし、だいぶ思考ゲームらしくなってきたので、満足である。

問題点は、1コマ1時間半でやるには、少し厳しいかもしれないこと。テンポ良く質疑応答が行えるようになれば、ワンゲームをみっちりやるのに、ちょうど良いかもしれない。あと、本当に「論理的思考」を行っているのか、このようなものが「議論」と呼べるのか、はたまた、何らかの「学習効果」があるのか、など良くわからないことが多い。

いずれにしても、遊びを通じてではあるが、思考と発言の機会を増やし、学生間の親睦を深めるという点においては、掲げられている基礎ゼミの目的にふさわしい内容になったと考える。