labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

招待講演@神戸大学

3月10日、第5回MOW 神戸大学・人文学研究科にて、加藤先生のトマス・アクィナスにおける全体と部分について、および、中山先生の4次元主義メレオロジーについてのご発表とともに、末席ながら、
ライプニッツにおける境界概念」
というタイトルで、スライド発表をいたしました。
僭越ながら発表者としてお呼びいただき、ふたたびこの問題について考える機会をいただきました神戸大学の松田毅先生に、この場をお借りして感謝いたします。また、当日出席いただいた方に、あらためてお礼を申し上げます。

自分の発表そのものは、ハノーファーでの国際ライプニッツ会議で発表したものに、少し前後の展開を足したものです。
発表原文のフランス語をただ日本語になおすわけにもいかず、結局、原典の翻訳も一からやりなおしたりしたので、邦訳のあるものは参考にしましたが、それでも結構時間がかかってしまい、もう少し理解を進める時間を十分にとれなかったのが最大の反省点。境界の問題や連続体の合成をめぐる、哲学サイドの現代的な議論についても、いくらか読んではいたのですが、まだ理解が中途半端なので、今回はバッサリ切ってしまい、歴史的な部分の話に集中したつもりですが、あまりうまくまとめられておらず、細かい部分のツメも甘く、まだまだこの問題を整理できていない感じが浮き彫りでてきて、終わった後は、反省ばかりしてました。ただ、今回の成果として、初期から後期までの展開を概観できたので、今後は、全体の概観よりも、細部をつめていく仕事をしていこうかと思います。

ライプニッツ研究も進めていくつもりですが、私自身の関心はというと、もう少し現代のテクニカルな方へと向かっているようです。おそらく、傾向性としてはずっとそうなのですが、たいしたことはやれていないところをみると、限界があるようです。今後の研究をどのようにやっていくか、明確にするために、もう少し考えてみたいと思います。