labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

【作用(能動)】

ACTION(ACTUS)

ライプニッツはactioあるいはactivitasを、外延性(extensio)に加え、物体的実体の概念に必要なものを言及するために用いる。
ライプニッツによれば、あらゆる実体は能動的であり、能動性を持たないところにはいかなる事物(実体)も存在しない。
・能動性は受動性と対比され、ライプニッツは後者のはたらきを「受動」(passion, passio)と呼ぶ。
・魂が関わるかぎり、能動性は欲求(appetition)と結び付けられ、受動性は表象(perception)と結び付けられる。
・創造された実体は、天使を含め、ある程度において受動的であり、第一質料を持つ。
・神のみが純粋能動性である、あるいはスコラの用語で、actus purus[補足リンク参照]である。
・作用の概念は原因の概念に結び付けられる。後期17世紀哲学において有名だった一つの論争で、ライプニッツがみずから貢献したと考えたものに、自然の秩序において作用ないし真の原因はあるのかという問題があった。機会原因論者を含む多数の近代哲学者が、神のみが真に「作用する」として、このことを否定した。『形而上学叙説』において提起されたライプニッツのシステムが導入されたのは、部分的には、この問題に対して満足のいく答えを探すという動機のためである。ライプニッツは後期の論稿『自然そのもの』においてもそのことを述べている。


補足リンク
Catholic Encyclopedia (1913)/Actus Purus

メモ:potentiaとの対比など、いろいろと付加すべきところのある項目。