labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

ライプニッツと「想像力の迷宮」メモ。[0]

ライプニッツが自らの生涯を振り返って,中心的に取り組んだとする2つの迷宮,すなわち「連続体の迷宮」と「自由の迷宮」の繋がりを解くカギが,自分の提唱する,「想像力の迷宮」にあるはずである.

想像力は,互いに異質なもののあいだを,超越し,かつ,連続させる,統一のはたらきである.ライプニッツの想像力概念の独自性は,この統合・結構の一般的機能として,想像力を捉えたことにあると考える.

ライプニッツは,連続律による点と線との起源的同一,普遍言語における観念と心像あるいは概念と記号との究極的一致,概念(ないし観念)と表象との記号的秩序的対応,身体と精神の調和,一における多の表現的統一,因果論と目的論との統一,などを主張した.

これらすべてに,超越性と連続性を,ある<形>において,共時間的・共空間的に与える,想像力のはたらきが見てとられねばならない.

ライプニッツ心身二元論や汎神論に抗して,模倣,像,類比,表出などの多元的な関係を包摂する,関係一般の理論を企図したならば,それら関係の構築へとわれわれを導く精神のはたらきとして根本的に関わってくる,想像力のはたらきが注目されねばならない.
[つづく]