labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

晴れときどきミストラル。ついに病に倒れた日。朝、論文の残りのレジュメを終わらして外出。郵便局まで往復一時間ほど。フランス人のように、本を読みながら散歩。10月ももうすぐ半ばだというのに結構暑い。半袖でよかった。しかし、どうも暑さが主原因ではないところの汗が大量に出てくる。
帰宅後、意識が朦朧として数時間ほど寝込む。峠はあっさり越えたみたい。これからまたじわじわと治っていくのだろうか。面倒くさい身体だこと。

さて、届いたのは以下の書。

Nelson Goodman[1977], The Structure of Appearance, 3rd ed. D.Reidel, Dordrecht/Boston.

うちの図書室には第二版しかなく、しばらくそれを読んでいたのだが(そして最近は読む暇がなくて困っているのだが)ちょっと前に購入。12ユーロ。本業ではないが、頼まれたら翻訳してもいいかな。その代わり誰かAufbauを訳してほしい。いや、そんな安請け合いをするものではないな。だって、たいへんだもの。一番訳したい/すべきは本業さんに他ならず、次は哲学の古典や数理哲学系の、どうしたって売れなさそうなものばかり。入門レベルの英書の和訳とかはもういいのではないかとか思ったりもする。だが、専門書はどうしたって難解であり、専門外ともなると翻訳がないと厳しい。みずからの時間を浪費して他者の時間を節約するのが、評価される研究なのかもしれない。
研究といっても、ここのところずっとテクストのコマンテールばかりやっているのだが、これが楽しくて仕方ない。時間を忘れてしまう。おかげで論文の方はちっとも進んでいない。少なくとも今の自分にとって、数学を集中的にやる余裕があるほど哲学は甘いものではない。これからもこんな感じなんだろうか。わが生涯の師より引用。

「同時に哲学者でもありかつ数学者でもあるものはまれですon est rarement philosophe et mathematicien en mesme temps」(ライプニッツゾフィー宛の手紙, 1700.12.1, GP VII, 553)。