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直接出向いてみた。返り討ちに合いとどめを刺された。返事がないので、たぶんそういうことだろうと分かってはいた。というわけで、何か状況が一変でもしないかぎり、遠からず日本に帰らなくてはならないと思う。ずいぶんと留守にしたので、日本に落ち着く居場所があるわけではない。なんかもう異界だった。日本でもフランスでも持てるものの都合に振り回されてばかり。いろいろ足りない。主に努力が足りない。というかお金が足りない。

かつてない陰鬱な気分であまり身に入らなかったが、落ち込む暇を作らないように、ポアンカレを復習して、セミナーに臨む。エピ研でグッドマンとグリュンバウムを借りる。目次を見て読んでいくうちに生気が蘇る。どん底だがまだ希望を持っているみたい。日や月が差せば深い井戸の底からだって見えるのと同じ原理。研究そのものは継続できる。これからはもっときつくなる。でも、根拠はないけど、自分ならできると思う。そこそこは。

今はまだそれほど楽しむ力はないが、長い目でみれば哲学が一番おもしろいということになるはず。というわけで長生きしないといけない。ここまでのところでも、自分の人生はかなり楽しい方に転がっていると思える。あと二転三転ぐらいで、そろそろ落ち着きたいところなのですが、神様どうなるでしょう。いや、知りたくもないや。とりあえず仕事をください。