labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

漂流博士

ようやく風邪も治りました。バカンスも開けて、小雨降る中、久しぶりに大学へ。

先日、ずっと体調がすぐれず、研究にも集中できずにふてくされていたところに、思いがけない知らせが飛び込んできた。どうやら、ポスドクに内定したようです。過去の日記を見返して明らかなように、もはや完全に諦めていたのですが、世の中どう転ぶかわからない。今年度の公募は前年度の5席からさらに減って、3席しかないと聞いていたし。ちなみに、昨年度は落選しました。今年度は見ていないけど、前年度の応募者は、リストを確認したとき100人くらいはいたから、今回もそれくらいだろうか。運が良かった。

今回決まったのは、大学のポスドク。CNRSは今年度もポスドクの一般公募はなかった気がする(個別研究所ごとならありますが哲学系はまずないし、あっても条件が限られている場合が多い)。こちらも、縮小傾向にあるのだろうか?お偉方は、CNRSそのものをなくしたいようですが、これなくなったら、フランス文化は崩壊するんじゃなかろうか。あるいはもう崩壊しているのか。大学はどうみても崩壊しているけど。

振り回されてばかりで、ほんと、バカみたい。「心配して損しちゃった」。相変わらず、こちらのリズムがつかめない。といっても、結果が出るまで3か月ほどだから、ほかと比べたら相当早いんだろうけれど。先日連絡があってすでに知ってはいたのだが、やっぱり書類で確認しないと信用できない。フランスに来て、疑うということを覚えたんだ、ボクは。本日、秘書さんからそれを確認。履歴には国際的業績もなく、研究計画やモチバシオンだけが頼りだったので、そこが評価されたとしか考えられません。あるいは、書類上の業績には入っていない、先月の発表が効いたのかも。よく考えれば、その発表会には、テーマ的には専門家のJM先生がいらしてたのだった。他の発表と比べると、わりと真剣に聞いてくれていたような。自分のところの院生を優先する可能性が出てしまうので、選考委員ではありえないと思うけど。書類を見てくださった、JBR師匠やGC先生に感謝します。

なんだか、延命措置を受けている気分なのは、気のせいだろうか。首の皮一枚で繋いでいく、ベルクソン的連続と非連続の哲学人生に変わりはないわけだが、まあ、ここは毒に溺れず、前向きに捉えていこうと思います。来年度の某会議にもこれで出られるかと思うと、やはりうれしいです。がんばりまふ。もう一件応募していたのですが、そちらの結果はまだ届いていません。

それはともかく、今月の振り込み、マダー?深刻な事態です。4月の前半、バカンスがあったせいで、事務処理が遅れているらしい。これはひどい。この僕でも、事務能力で負ける気がしない。スカウターがあれば、ぜひ計測してみたいものだ。加えて、来月から臨時収入もしばらく途絶える。適当なバイトを探さないといけない。サボっていた仕事もしないと。ワーッ。困った。夏は暑くてどうしようもないし、場所を変えるか、一度日本に帰りたいのだが、どうしよう。

エピ研図書室は来月、蔵書の整理で閉まってしまうらしい。うーん、BNFもまだ改築中だった気がするし、これを口実にパリに行っても今はメリットなさそう。そもそも、BNF界隈とカルチェ・ラタンしか知らないし、他はとりたてて用もないし。見聞を広めようという欲望や、そもそもフランスに対する関心が希薄すぎる気がしますが、これはもはやどうしようもない。いや、好きですよ、フランス。とっても。言葉では表現できないくらい。でもやっぱり、音楽も哲学も、ドイツが性に合っている気がする。愛が足りなさすぎ。だからいまだにフランスになじめない。とりあえず、めぼしい本を一冊だけ借りておいた。全集は重いし持って帰れない。いざというときに困りそう。本音を言えば、早く(以下略)。