デカルト数学・自然学論集〔告知〕
もうすぐ出版されるということで、告知をさせていただきます。
- 作者: ルネデカルト,山田弘明,中澤聡,池田真治,武田裕紀,三浦伸夫
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2018/02/26
- メディア: 単行本
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目次は、法政大学出版局さんのページにもありますが、以下のとおりです。
目次
凡 例はじめに 【山田弘明】
序 【フレデリック・ド・ビュゾン】
*
ベークマンの日記 【中澤 聡 訳】
思索私記 【山田弘明・池田真治 訳】
立体の諸要素のための練習帳 【池田真治 訳】
二項数の立方根の考案 【武田裕紀 訳】
数学摘要 【但馬 亨 訳】
屈折について 【武田裕紀 訳】
カルテシウス 【武田裕紀 訳】
キルヒャー神父の『磁石論』摘要 【武田裕紀 訳】
デカルト氏が書いたと思われる『哲学原理』注記 【山田弘明 訳】
*
解 説
I 『ベークマンの日記』 【中澤 聡】
II 『思索私記』 【山田弘明・池田真治】
III 『立体の諸要素のための練習帳』 【池田真治】
IV 『二項数の立方根の考案』 【武田裕紀】
V 『デカルト氏の『幾何学』のための計算論集』 【三浦伸夫】
VI 『数学摘要』 【但馬 亨 訳】
VII 『屈折について』 【武田裕紀】
VIII 『カルテシウス』 【武田裕紀】
IX 『キルヒャー神父の『磁石論』摘要』 【武田裕紀】
X 『デカルト氏が書いたと思われる『哲学原理』注記』 【山田弘明】
XI 『ストックホルム・アカデミーの企画』 【山田弘明】あとがき 【武田裕紀】
人名索引
事項索引
いずれも、本邦初訳のものばかりです。デカルトの遺稿を中心として、デカルトと交流があり、デカルトが数学的自然学へと目覚めるきっかけを与えたベークマンの日記や、デカルト自身が認めた『幾何学』への入門が収められています。
私が携わったのは、『思索私記』と『立体の諸要素についての練習帳』です。どちらも、ライプニッツが写本したものがベースにあるので、ライプニッツの数理哲学を中心に研究していた私にお声がけいただいた、ということのようです。デカルトについても、フランス留学中に、修士論文をデカルトの『規則論』(『精神指導の規則』)で書いていたこともあって、初期デカルトには強い思い入れがありました。
当初は、分量もさほど多くなく、翻訳もいくつかあるのでなんとかなるだろう、と軽い気持ちで引き受けたのですが(実際、山田先生もそんなことをおっしゃっていた記憶が・・・)、これはとんでもない過ちでした(苦笑)。私が訳した部分は、きちんと完成し出版(が意図)されたテキストならいざ知らず、未完成段階の、おそらく単なる思索のためのノートのようなもの。しかもデカルト直筆の原稿は残っておらず、その原稿をさらにライプニッツがなぐり書きで筆写したものなので、ほとんど得体の知れない文字列と向き合うことになりました。解読のための苦労のあとは、脚注や解説などをご覧いただければと思います。
【つづく→後日譚】