labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

晴れ。朝5時起き。最近、良く寝られず。じりじりとデカルト
郵便局に本を受け取りに行く。読むべき本は増える一方だなあ。読む速度はどんどん遅くなっているというのに。
そういえば、グッドマン先生が次のような教訓的なことを述べていました。引用しませう。

代替可能な世界をすすんで認める態度は、探求の新しい大道の通行を自由にし、そうした大道の所在を示唆するが、とはいえあらゆる世界をなんでも歓迎する態度からは何一つ世界は作り出せないことを付言しておこう。利用できる多くの座標軸を知っているというだけでは、天体の運行図はひとつも得られない。代替しうる複数の基礎がともに的確だと認めても、そこからは科学理論や哲学体系は何一つ生まれない。さまざまな見方に気付いたからといって絵はひとつも描けない。寛容な心はつらい仕事の代わりにならないのである。*1

こうしてグッドマンは、デフレ的唯名論に立って世界制作しませう、と主張する。そこからは、自らの世界を制作するには、関心の「重みづけ」が不可欠であることが解釈として読み込めるように思います。
これが正しいとすると、あらゆることに積極的に取り組み、どんな意見にも寛容な心で臨みつつも、一つの徹底された哲学体系を示したライプニッツは、やはり希代の天才であり*2、そこには何がしか規準となる一貫した態度があったのだと思うのです。しかし、その規準とはいったい何だったのでしょう。また、いったい何が彼をあそこまで駆り立てたのでしょう。

午後からは、ワイルに関する原稿のライプニッツの部分に対するコメントを友人に頼まれたのでその準備。数学的部分が気になったが、当然難しくてなかなか先に進まず。ヴィユマン、ポアンカレセミナーの前はワイルをやっていたそうなので、今度、その資料を報酬としておねだりしてみよう。あと、忙しくなる前に、あれを読んでおかねば。この機会を逃すと、なかなかもう次の機会がとれないかもしれない。

けれども少し風邪気味。インフルエンザじゃありませんように。こちらではタミフルが普通に薬局で買えるらしいけど、それはそれで危険だなあ。ここら辺も、リスク・マネージメントでしょうか。
ひさしぶりにピンク・フロイドを作業しながら聴く。数ヶ月に一度くらい、無性に聴きたくなるときがあるのだが、今日がその日でした。One of these daysが好き。さすがピンク・フロイド、思った以上に作業がはかどりません。

*1:ネルソン・グッドマン、『世界制作の方法』、菅野盾樹訳、ちくま学芸文庫、2008年、48頁。

*2:枕詞のようなものです。