labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

ライプニッツにおける境界とその様相

ライプニッツ国際会議の原稿ができました。

Shinji IKEDA [2011], ,,Les limites et ses modalités chez Leibniz“, IX. Internationaler Leibniz-Kongress, Natur und Subjekt, 26 September bis 1. Oktober 2011, Leibniz-Universität Hannover Preprint

Leibniz on boundaries and its modalities

Abstract

Leibniz approached the Continuum Problem from multiple aspects. It is his system of boundaries that connects his metaphysics to his geometry. By focusing on the metaphysical and geometrical foundations of boundaries, we consider how his ideas on boundaries contributed to his resolution of the problem. First, we examine his geometrical idea of boundaries, in which he tried to construct a “calculus of situation” by reducing Euclidian geometry into an intensional logic. Our claim is here that boundary is not only defined as “a section of continuum”, but also defined metaphysically as “a place inherent in continuum” and later defined by the relation of “homogonous” (homogona), i.e. the relation of having a same origin. Second, we analyse the metaphysical idea of boundaries. Here, we see his characterization of boundary as “mode of continuum”, which remained throughout in his philosophical and mathematical thought even after he began to develop his geometry.

ここのところ、ずいぶんと体調が悪かったのですが、色々な方々から応援をいただきました。本当に、それが支えになって、なんとかここまでこぎつけることができたという感じです。どうも、ありがとうございました。ご心配をおかけいたしました。とりあえず、提出はしました。

私にとっては、今年の一番大事なイベントだったので、もっと早くから集中できていれば、体調もここまでひどくならなかったかと思います。
書くには書けたのですが、あまり成果は出せていない気がします。まだまだ修行が足りないようです。論文作業で、いろいろと諸事を犠牲にしてしまったので、少し盛り返していきたいと思います。少し、休みが必要かもしれませんが。

今回のものは、発表の予稿集に含まれるものにすぎないのですが、ライプニッツ国際会議ともなると、公刊論文相当として利用されうるものが多く、図書館などにも、いずれ出回ることになると思います。ただし、校正や改訂の段取りなどはないのでしょう。なので、こそこそしないで、ここにもう提示しちゃおうと思います。

極力、ライプニッツに忠実に、彼の境界概念を、連続体の様態としての存在論的位置づけに焦点を当てて、幾何学的著作および形而上学的著作に関して、著作ごとに調べていったものです。アリストテレスなど古典をはじめ、クラヴィウス、デカルトホッブズ、ブレンターノ、パース、あと二次文献もそこそこ読みましたし、メレオロジーも関わるだろうから多少は勉強を試みましたが、今回は、まったくといっていいほど、ライプニッツ以外のことは反映できませんでした(反映するスペースもなく、あえてしなかったところもあります)。今回の論文は、次に現代的な理論や古典と比較したりするための準備作業といったところでしょうか。自分は、ライプニッツと同じく、連続体の迷宮を哲学上の主題としていますが、哲学的なことが言えるのは、まだまだこれからという感じです。自分でなくとも、ほかの適任者が、自分の成果を使ってできるように、信頼できるレベルになっていればいいな、と思います。

英語で書くべきだったかもしれませんが、一応、フランスにいる日本人として今回は参加しとう存じます。それに何か、気まずそうなので。前回、といっても、5年前の大会を見学しましたが、やはり、その国の人たちは、その国の人たちで群れます。フランス人はとくにそれが顕著で、フランス人の発表には、集団がこぞって応援に行くという連帯を見せつけられました。ちょっとそれが恐いので、フランスの大学に所属しているなら、フランス語にすべきだろうと思ったのです。それに、フランス語、最近、ほとんどやれていませんでしたから、この機会に勉強できて、とてもよかったです。

それでは、フランス語ですけど、興味がある方は読んでみてください。お粗末でした。