labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

twitterで「不可識別者同一の原理」が話題に上ったが、tenapiさんからMycielskiがライプニッツの不可識別者同一の原理について、集合論的に扱っていることを知った。

おそらくその後をついで、まとめた論文があったのでメモ。

Ali Enayat, "Leibnizian models of set theory", J. Symbolic Logic Volume 69, Issue 3 (2004), 775-789.
http://bit.ly/emVR47 http://www.jstor.org/pss/30041757

Mycielskiは、ライプニッツの無限論を有限的に捉えうるモデルを、「実無限なき解析」という論文で扱っていて、論文でも一度言及したことがあったので、気になっていた。Mycielskiについて知ったのは、2006年に出した「ライプニッツの無限小概念」という論文を書くときに読んでいた、Shaughan Lavin, Understanding the Infiniteという本による。

ていうか、Enayatの論文は2004年に出ていたんですねー。何やってたんでしょうか、私は。ライプニッツを現代的に捉えることについて、本気でやる気がなかったんでしょうか。でも、不可識別者同一の原理だから、テーマが違うから仕方ないかな。

それにしても、あれから、もう5年近くになるんですねー。その後、フランスに留学して、書きかけていた続きの論文は忙しくて断念。ライプニッツと超準解析で修論を書くよりも、きちんと哲学史の基礎を固める必要を感じて、フランスではデカルト修論を書いたのでした。1年では無理で2年かかりました。数学と哲学、語学と生活で苦労し、精神的にも本当に辛かった時期です。

はっきり言って、そのとき以来、数学方面での研究はまったくと言っていいほど進んでいないので、モチベーションを高めてまたチャレンジしたいです。こんなことばっかり言ってますな、最近。もっと勉強しないと。