labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

ゲーデル「私の哲学的立場」

ゲーデルは1960年、「私の哲学的立場」を14カ条に簡潔にまとめて表明している(Hao Wang[1996], A Logical Jouney, p.316) 。

1. 世界は合理的である。
2. 人間理性は、原理上、(特定の技術を通じて)より高度に発展しうる。
3. (芸術などを含む)あらゆる問題を解決するための体系的な諸方法が存在する。
4. より高度かつ異種なる、他の世界と理性的存在者が存在する。
5. われわれがその内に生きている世界は、われわれがその内に生きるであろう、あるいは、われわれが生きてきた唯一の世界ではない。
6. 現在知られているより比較不可能なほど多くの知得可能なア・プリオリなものが存在する。
7. ルネッサンス以来の人間思考の発展は、完全に知解可能である(durchaus einsichtige)。
8. 人類の理性は、あらゆる方向に発展されるであろう。
9. 形式的な正しさは、真の科学を構成する。
10. 唯物論は偽である。
11. 高度な存在者は、アナロジーによって他者と結びつけられるのであって、合成によってではない。
12. 概念はある客観的存在を持つ。
13. 最も高度な抽象性をもつ概念を扱う、科学的な(厳密な)哲学と神学が存在する。そして、このことはまた、科学にとって最も実り多きことである。
14. 諸宗教[religions]は、その大部分に関して、悪い。ただし、宗教[religion]はそうではない。