labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

ホプキンソン・スミス

Hopkinson Smithのコンサートに行ってきました。リュートの神様ですよ。行かないわけにはいかない。チケット20ユーロは安いものです。席は予約席であれば自由で、正面、前から3列目を確保。完璧。

題目は、

ミラノ/ミラン
ルネサンス期におけるイタリアとスペインの音楽―リュートヴィウエラ(Milano/Milan. Musique Italienne et Espagnole de la Rennaissance - Luth et Vihuela)

ミラノとミラン。掛けてますよね?どうみても。お、親父ギャグじゃないですよね??

場所は、
ミュゼ・ド・タピストリー。建物は、もとはローマ・カトリックの教会だろう、雰囲気や良し。

プログラムは、

スペインからは、
Luys Milan (from El Maistro, Valencia 1536)

イタリアからは、
Francesco da Milano (1497-1543)

という二部構成。

アンコールは、
John Donneと言っていたと思います。たしか。でも、John Dowlandの聞き間違いだったかもしれません。後者でCDも出されていますし。


感想は…最高でした。とりわけ、Francesco da Milanoの演奏は、後半、神がかっていました。
曲の最後の余韻で、サブイボ連発。音が小さいので、集中して聞かねばなりません。
小協会で、席は100席ほどだったと思いますが、満員を超え、ベンチを他から持ってきていました。
予約しておいて、良かった。

演奏後、少しお話をする機会がありました。

自分:「演奏、とても素晴らしかったです」
とフランス語で。もっとほめたいのだが、あんまり言うとかえって厭味なので、端的に。アドリブも機転も利かない。その後は、相手がアメリカ出身だったのを思い出して、ならばと、久しぶりの英語で、自己紹介とか。
スミスさん:「どうもありがとう。君も、ギターか何かやってんの?」
自:「いいえ、ギターはやっていません(嘘。やってたけど、途中で転向)。ですが、チェロをやってました。でも、日本に置いてきました。今は、ここで哲学を研究しています。」
ス:「へー、哲学やってんの。語学たいへんでしょ!?わかるよ。」
自:「はい、ハードです。本当に。」
うんぬん。

…なぜバレた。語学で苦労しているのが。
ああ、何を話してんだか自分は。orz
もっと、音楽のことについてとか、聞きたかった。。
そんなこんなで、その後、即売会で、レアなda Milanoと迷ったが、結局BachのCDを購入。20ユーロ。あとでアマゾンで調べたら、前者は21ユーロ、後者は27ユーロだったから、正しい判断だった。久しぶりに、自分を賢いと思った。
買ったCDのパンフにサインをもらって、今帰ってきた。


コンサートの話に戻ると、演奏する曲の合間に、曲の解説をしてくれました。流暢なフランス語でした。エクスでは、毎年、コンサートとともに、アトリエ・ド・ミュズィクのマスタークラスを受け持っているようです。ゆっくり、丁寧に、あと最後にジョークを交えて話すしかたが、たいへん勉強になりました。演奏にもそのスタイルは現れている。つまり、何を学んだかというと、普段から、丁寧に、厳密に思考すること、そして楽しく研究するという心がけが重要だと。

現在は、バーゼルにあるSchola Cantorumの教授をなさっているようです。
演奏は威厳に満ちていて、まさに「プロフェッサー」という感じですが、会って話して見て、すごく笑顔の素敵な方でした。

今日はルネサンスリュートの余韻に浸りつつ、一日を終えたいと思います。
おやすみなさい。