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ノルマ半分。集中していれば1h30でやれるところを、Podcast聴きながら、4h00かかってしまう。こんなことはもうやめよう。
あれ終わっちゃったんだ…。悲しい。気分転換に外出。
Vrinからライプニッツ関連で2冊新刊が出ていたのでその報告。まず研究書。
Tristan Dagron, Leibniz et Toland: L'invention de néo-spinozisme, Vrin, 2009, 430p.
ジョン・トーラントはイギリスの自由思想家で理神論(汎神論)者。ライプニッツは1701-2年に若きトーラントと手紙のやりとりをしている。そこで扱われたテーマは、ロックの『人間知性論』を題材に、自然宗教、反省、魂の不死性、実体の本性など。本書はそれを元にしており、物活論、カバラとの関係など、マニアックな内容を含むものとなっているが、トーラントとライプニッツの論争を介して、スピノザ、ロック、ベールらを含めた当時最大のテーマである自然神学の問題を包括的に扱った、大著である。自分のさしあたりの関心としては、第XI章の「実体と連続体の分割」、および第XII章「無限、全体および世界:ブルーノの影」だろうか。なんでブルーノまでいくかね、と思ったら、著者の本業はジョルダーノ・ブルーノだったようで納得。どのような意味で「新スピノザ主義」なのかは、読んでみないとわからないが、従来のスピノザ主義者の単なる亜流としてのトーラント解釈に一石を投じたもののようである。クラークにもトーラントの影響があるようで、それがのちのライプニッツ−クラーク論争にもつながったりして、という。これまで気にはされつつも、なんとなくスルーされてきたところを、この一冊でしっかりやってくれているみたいなので、気になったらこの書にお世話になるかもしれない。
次は羅仏対訳書。
Leibniz, Des cas perplexes en droit, intro., tr. fr. et notes par Pol Boucher, Vrin, 2009, 352p.
ライプニッツの博論(法学)です。1666年に書いて、1667年に博士号をもらいました。原題は、Disputatio De Casibus Perplexis in Jure(「法律に於ける紛糾せる事例」)。2度ほど本屋で迷って、結局まだ買ってません。第一印象は、細かい。関連人物表がありがたい。もし読むとしたら、やはり論理学的関心からでしょうか。なんか、訳者もフレーゲを引用していましたし。