labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

大筋、研究の方向性は決まったようだ。

午前はロジックとカテゴリー論。

午後は村上勝三先生の『感覚する人と物理学』をようやく読了。圧倒されっぱなしでした。
本書ではデカルトの想像力の概念について、極めて綿密に研究されています。そこから必然的な帰結として、近代哲学で想像力の概念に関心があるものは誰しも、この本を読まないといけないということになります。
もっとも、デカルトの想像力の解釈をめぐって、極めて厳密な議論が展開されているので、安易な読解を許しません。デカルトを扱うのは、やはり大変なことなのだな、と改めて思った次第です。
綿密さの犠牲なのかもしれないですが、そもそもたいした日本語力を持たない自分にとっては、文章がやや難解な印象を受けました。日本語もままならない自分が言えた義理ではまったくありませんが、人は単純明快さに楽を感じがちです。重要なところは、表現を変えつつ何度も繰り返されているので、きちんと全体を読んだ人には問題ないのですが、部分的に読みたい人は、索引等から言い換えているところも当たってみれば良いかと思います。第一線の専門研究であるだけでなく、教育的配慮にも富んだ、良い本だと思います。いずれにしても、デカルトを理解するには、その他の著作と合わせて体系的に読まれなければならないように、その他の村上先生の著作を読んで、本書は初めて「理解」されるのでしょう。そのうち何かきちんとしたかたちで内容を紹介できればと思います。