labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

1Q84』の続編が出るのかー、結局。記事。今回わざわざインタビューで続編執筆宣言を出したのは、いったいどういう事情によるものだろう。既刊作品についてのウェブ上での反応では、多くの読者がこれで完結というのにはやはり不満を抱いていた中で、たしかに続編待望論者もあったが、その反対に続編無用論者も数多くいた。自分は、どちらかといえば後者で、続編は読者と作者のどちらにとってもリスクが大きいと思っていた。ん、ゲーム理論?続編を書くことで作者に効用が得られ、読者がそれを読んで効用を得られれば、両得なのだが。

まだ書き足りない部分があるという自覚が本人にもあったということだろう。では、そのまだ書き足りない部分とは何だろう。たしかに、「リトル・ピープル」が何なのか、最後までわからずじまいだった。インタビューにも何かヒントはありそうなのだが。まあ、いろいろな妄想を楽しみながら、おとなしく続編を待ちたいと思う。次の構成はどうするんだろうね。ベートーベンのピアノ・ソナタだったら、大長編になるなあ。

それにしても、こんなにベストセラーになるような作品だったのだろうか。まるでジブリ映画だ。あんまり大衆的になりすぎてファンであることに疑心暗鬼になっている、中途半端なファンの一人ごとにすぎないが。BOOK2の結末では、悲劇的ながらも救いの方向が介間見えていたと思うので、続編では救いの部分がその「物語の善き力」で描かれるのを期待しよう。後味悪いのは嫌だし。