labyrinthus imaginationis

想像力ノ迷宮ヘヨウコソ…。池田真治のブログです。日々の研究のよどみ、そこに浮かぶ泡沫を垂れ流し。

引き続きポアンカレセミナー。
何度読んでも、compensationの議論のところが良くわからない。ポアンカレの空間論は、議論の流れ自体はクリアなのだが、いろいろと突っ込みどころがあったり、あいまいなところもあったりする。けれども問題設定が面白い。どうしてもライプニッツとの比較で読んでしまうが、ベルグソンやリボーをはじめとする当時の哲学や心理学に詳しかったら、もっといろいろなことが分かるんだろうなあ。あともちろん数学も。ヴィユマンもベルグソンまでは踏まえていないようだ。ところで、邦訳ではcompensationを「補償」と訳していたけど、compensationとは、外的対象の運動を身体の運動によって相殺することだから、「相殺」の方がしっくりくると思ったのだが。あるいは「補整」かな。心理学の方での定訳かもしれないけど。